SHEIN・シーインがなぜ安いかの理由【途上国の過酷な労働環境問題】

ここ数年でSHEIN(シーイン)という名のプチプラ以上に安い服のサイトが世界中で爆発的にはやりました。

 

その服の安さは他に類を見ず、Tシャツ1枚300円という値段も見れます。

 

日本でも美容・ファッション系ユーチューバーが「SHEIN HAUL」としていくらの金額で何点服を買えたか、またSHEINと提携して割引コードなどを発行している人も出てきました。

 

ファーストファッションはH&MやGAP、ZARAなど老舗がいくつもあり今に始まった事業ではありませんが、世界中でSHEINの工場で働く労働者から「HELP ME(助けて」というメッセージが注文した服とともに手元に届く事件が起こっています

 

この記事ではSHEINの服がなぜ安いかの理由と、工場で働く労働者の過酷な労働環境について説明していきます。

 

スポンサーリンク

【SHEINはなぜ安いかの理由】途上国で大量生産

 

SHIENがなぜ安い服を世界中に販売できるかの理由は、第三カ国で極端に安い労働力を本社が委託するからです。

 

生活基準が1日100円以下の国でかろうじて毎日何とか食べれる賃金を1か月に1日の休日のみで、ほぼ毎日12時間労働を強いても人が求人に飛びつく貧困地帯に工場を置くのが最大の理由です。

 

これはNIKEやGAPといったブランドも使っている生産過程で、現在は労働者の雇用条件が改善していると発表されているものの、何十年も前から人権問題となっている大手ブランドの闇の一つでもあります。

 

簡単な作業は10歳にも満たない子供も労働力として働いており、中国だけではなくマレーシアやインドネシアなどのアジア地域を含め、ルーマニアなどヨーロッパにもこのような「搾取工場」が存在します。

 

これらの工場は人件費が一人たったの数円(1日労働)がほとんどなので、Tシャツが300円でも利益になるのです。

 

アメリカが発表した統計では世界でおよそ150カ国に搾取工場が建てられ、稼働しているというデータがあります。国連では現在(8月2022年時点)世界では196カ国存在すると認定されているのでほとんどの国にこうした過酷な労働条件の下で働く人がいることになります。

 

SHEINでは毎日8,000点もの新しいアイテムが販売

 

SHEINは近年爆発的に成長を果たしたオンラインストアであり、その規模はファッションだけにとどまらずキッチンスポンジやパソコン用のキーボード、インテリアと何万点ものラインアップがあります。

 

海外ユーチューバー達が調べた結果、何と毎日8,000点の新しい商品がページに追加されているとのこと。大手チャンネルがSHIEINの生産過程や労働者の現実を取り上げています。

 

 

気になる方はぜひ字幕を付けてこの英語の動画を見てみてください。

(本記事の画像もこのビデオから使っております)

無名イラストレーター、画家の作品を無断使用も【著作権問題】

 

さらにSHEINはネット上に自分の作品を展示する画家やイラストレーターの作品を無断で自社の服に使うなど著作権問題にも引っ掛かるケースを起こしています

 

まだ無名であるイラストレーターや画家の作品を無断でファッションに使用するのは、たとえ彼らが著作権侵害でSHEINを訴えたとしても、金銭的にこの国際企業と争う力がないのを知っているからです。

 

発展途上国の貧しい人々の命を盾に取るばかりか、立場の弱いクリエイター達をも利用している会社なのです。

 

自分が描いた絵がシャツにプリントアウトされて勝手に売られている、とSHEINの販売ページを見て初めて知る人も少なくありません。

 

スポンサーリンク

SHEIN・シーインの服を作る過酷な労働環境と労働者の問題

 

SHEINの服を作る劣悪な搾取工場の労働環境が問題となり、労働者たちは上司に見つからないよう何とか海外に助けを求めるようになります。

 

それが上記の写真。「NEED YOUR HELP(あなたの助けが必要)」と服のタグ表記に埋め込んで見つからないようにして助けを求めています

 

英語が母国語の国では消費者が次々と様々な服からこうしたメッセージを見つけ、SHEINの劣悪な労働環境への注意喚起を促したのでした。

 

服のタグにメッセージを埋め込む他にも下の画像のように服を送る箱の中に何とか紙切れを紛れ込ませたりする労働者もいるほどです。

 

 

「HELP ME PLZ!(お願い、私を助けて!)」と紙切れに手書きでメッセージが添えられています。

スポンサーリンク

SHEINの反応【メッセージはただのいたずら】

 

インスタグラムやTikTokなどのSNSでこれらのメッセージを受け取った消費者がそれぞれ動画で世界に発信し始めたのをきっかけに、発展途上国でSHEINの工場で働く人の人権問題が明るみに出ました。

 

主に若い年代の消費者がパニックに陥る状態になったときにSHEINはこれらの助けを求めるメッセージは「インスタグラマーやティックトッカーのただのいたずら」の一言で一蹴。経済的に力のない個人は上記での述べたイラストレーターたちのようにもみ消されることとなったのです。

 

「超効率化を感情や芸術性より優先する」というビジネススタイルを持つ1984年生まれのSHEINの社長、「ヤンティエン・シュウ」氏は自身のモットーをそのまま会社にも適用したのでした。

 

結果、SHEINの服がなぜ安いかの理由が上記のような多くの人々を犠牲とする形となったのです。

 

劣悪な労働環境の下で働く人たちや、洋服の生産元については多くのブランドがするように「商品の生産は委託業者が管理しているので、SHEINのブランドとは関係ない」という姿勢を保っています。

SHEINがなぜ安いかの理由【途上国の過酷な労働環境問題】まとめ

 

SHEINの服はなぜ安いか、その理由は多くの人々の犠牲によって可能となっているのがこの記事でわかります。

 

世界150カ国以上にある途上国の過酷な労働環境は昔からの解決策のない問題で、SHEINも大手ブランドと同じ生産方法を選んでいることにより価格を抑えたファッションを世界中に提供しているのです。

 

労働者達の心からの「助けて!」という叫びも「いたずら」として片づけてしまう強引さを持ったSHEINの今後の展開に注目が集まります。

スポンサーリンク